保育士と一般の保護者の保育の仕方の違いは何でしょうか。
それは保育の「専門性」ですよね。
保育の専門性とは一体何なのでしょう。
一度にたくさんの子どもたちを見ることができる点でしょうか。
たくさんの子どもを見てきた経験でしょうか。
経験は、保育の仕事をある程度長期間続けないと得られないものなので、新人保育士さんはまだ専門性がないということになってしまいます。
でも、私は新人保育士さんにももちろん専門性はあるし、保育の専門性というのはそのようなことではないと思っています。
では保育の専門性とは一体何なのか、記事で解説していきたいと思います。
保育者である私たちが目指すもの
私たち大人は、子どもを「自立した人間」に育てなければいけません。
子どものうちはまだ誰かの手を借りないと生きていけませんが、自分の身の回りのことなど、次第に自分でできることが増えていきます。私たち大人は、子どもの
・生活面での自立
を助ける必要があります。
また、生活面での自立の他に、
・精神的な自立
が必要です。
自分で考えたり、感じたりすること、それをもとに行動したり、選択したりする力のことです。
その精神的自立を手助けするのが保育の専門性だと私は思います。
子どもは、感じたことを伝えてきますよね。
「〇〇いた!」「〇〇あった!」
そのときは、「そうだね、〇〇いたね」と受け止めることで、子どもは、「言ってもいいんだ」と感じ、もっと伝えてくるようになります。
「あれやりたい」「これはやりたくない」
など、子どもの気持ちは様々ですが、その子の考えや感じたことを受け止めることで、「言ってもいいんだ」と思えるようにすることが大事です。
これは、新人の先生であってもできることです。
日頃から「〇〇と△△、どっちがいい?」と子どもに選んでもらうことも良いです。
年長さんや小学生になったら、一人ひとりに意見を聞いて、受け止めていくのも良いでしょう。
子どもが自分から行動することを「待つ」ことも大事です。
もちろん時と場合にはよりますが、子どもの自発性を待つ姿勢を見せることで、子どもは「自分を信じてくれている」と思えるようになります。
精神的に自立していないとどうなってしまうのか
例えば、大人になって会社に入り、激務で体調を崩してしまいそうなときに、「辞めたい」と言えなったらどうなりますか。
自分の意思表示ができなければ、大変な目に合ってしまうかもしれないのです。
「好きなものや、やりたいことが何もない」という人も少なくありません。
いわゆる、「思考停止」状態に陥ってしまうのです。
自分が何を考え、本当はどうしたいのかが分からないというのは、とても深刻です。
人生の指標を持たずに生きていくことになってしまいます。
自分の意思を持ち、その子がその子自身になっていく過程をサポートするのが保育の専門性であると私は考えます。
保育をする上で、してはいけないことは何か
では逆に、私たち保育者が子どもにしてはいけないことは何でしょうか。
何が子どもの自発性を阻害してしまうのでしょうか。
保育園は集団生活で、保育士の人数も限られていますので、いつも子ども個人の希望が通るわけではありません。
どうしても、集団で一斉の同じことをする必要性はでてきてしまいます。
集団行動は、小学校入学に向けての練習になるという考え方もあります。
しかし、保育者が、
・言うことを聞かせるために威圧的な態度を取る
・指示通りにできない子どもを厳しく叱る
などをしていたら子どもたちは、自分の意思表示をしなくなってしまいます。
方針が一貫していることも大事です
また、保育者の方針に一貫性がないのも好ましくありません。
あるときは「自分でやってみようね」と待つ姿勢でいたのに、あるときは「なんでできないの!」と保育士の機嫌で子どもへの態度を変えたり、急に怒るなどの行為は避けましょう。
方針がコロコロ変わると、子どももどうして良いのか分からなくなり、結局は大人の顔色を伺うことになってしまいます。
さいごに・・・
いかがでしたか。
今回は一般の保護者と保育士の違いについてお話してきました。
保育士でなくても、以上のことを心がけて子育てをしている保護者の方もたくさんいらっしゃって、とても素晴らしいなと思います。
子どもの意思を尊重するのはなかなか忍耐のいることではありますが、あとで子どもの中で大きな価値となり、生きる力になってきます。
私も、これからもっとこのような専門性を学んでいきたいと思います。
子どもたち一人ひとりが、専門性を教えてくれる先生ですね。
この記事があなたの助けになることを心からお祈りしています。
ーおわりー
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