以前に学童保育は、行政からは、「子どもと遊んでいるだけの楽な仕事」、「放課後の短い時間だけ子どもを見ていればいい」と思われているというお話をしました。
今回は、学童保育の保育以外の仕事の内容や実態、その実態を踏まえた上で、指導員がどうしたらよいのか解説していきます。
学童保育指導員は子どもがいないときは何をしているのか?
書類作成
- 日々の保育計画、子供毎の指導計画、反省
- 保育日誌、業務日誌の記入
- 市町村に提出する報告書類作成(補助金をもらっている為)
- 毎月行われる保護者会の準備、資料作成
- 金銭管理(教材費、おやつ代等)
- 職員のシフト作成
- クラスだよりの作成
保育準備、環境整備
- 玩具、教材のメンテナンス、新規購入
- 補食(おやつ)の購入、準備
- 施設内清掃、管理業務
- 長期休暇中の子供の昼食調理、食材の買い出し
イベント準備
- イベントの準備、計画、実践、反省
- 遠足の計画、下見、実践、反省
- 定期的な保護者面談の計画、実施
- 避難訓練の計画、実践、反省
会議、研修
- 会議・研修参加(所属学童内の会議、市町村内の学童指導員・事務所職員が集まる会議、市町村、県、全国単位で行われる研修への参加)
- 会議録の作成、報告
- お誕生日などの壁面制作、誕生日カード、プレゼント制作
この他にも子どもが制作を行う場合は材料を準備したり、子どもが作ったものを形にするなど、細々した作業があります。
仕事時間外で行う仕事
- 子供の保育レポート(長期にわたる保育観察をもとにした長文レポートの作成)
- 研修レポートの作成
どのような大変さがあるのか
学童保育は土曜保育があり、交代で出勤します。
研修や会議が、日曜日や保育修了後19:30〜21:00くらいまであることも多かったり、団体ごとに自主的に集まるものだから給料は出ないというものも多かったです。(でも出席しなくてははいけない)
研修も、市町村単位で開催しているもの、都道府県単位のものなど多数あり、出席しなければいけませんでした。
係になっている職員は、午前中や、日曜日も研修の受付、講師や世話人をするために出かけることもあります。
市町村、県、保護者会、保護者の運動団体など、様々な組織と繋がっているのは良いことだと思いますが、その一方で、各団体が主催する会議や研修、イベント等への参加が義務づけられ、指導員の負担が増すということが起きていました。
そのため、拘束時間が異常に長くなってしまいます。
大きいイベントもあります。地域向けのイベントでは、学校の体育館を借りて、子どもたちが作った手作り品を売ったり、ゲームコーナーをお客さんに楽しんでもらうため、子どもたちが係をしたりするのというもので、その指導計画は大掛かりなものでした。
以前から開催しているイベントの縮小、簡素化などもなかなか進まず、イベントが多いので、職員が少ない中での準備がとても大変です。
台風などの災害時の出勤も問題になっており、私が勤務していたときは学校は休校だが保護者は仕事に行くので、8:00から学童を開室しなければいけないということもありました。
台風の中、膝上まで水があがった道を長時間歩き、やっと学童にたどり着く…といった感じでした。
なぜ業務過多になってしまうのか?
「子どものためにがんばるべき」という観念が強く、それはもはや思想のようなものになっているので、変えることは難しいのが現状です。
業務の優先順位がつけられていないのと、業務の必要性の議論もなされなかったり、議論されても昔ながらの考えの指導員の反対にあってなかなか実現しなかったりという問題がありました。
組織の階層構造が整っていないので、ある程度の強制力を持って指示できる職員がいないという問題点もあり、様々なことの決定に時間がかかったり、結局あまり変わらないということもありました。
仕事が時間内に終わるはずもなく、サービス残業や持ち帰り仕事も日常化していました。
業務過多による弊害
このような業務過多では、子どもの保育に全力投球できなかったり、他の職員への指導も十分にできなかったりなど問題が起きてしまいます。
人間関係も閉鎖的で難しいところがあったり、会議などでうまく話がまとまらない等の問題もありました。
「子どものため」と言って自己犠牲をすることが本当に子どものためになっているのか、そのようなことを本当に子どもは望んでいるのだろうか?と考えさせられました。
私は、子どもたちは、私たち保育者が笑顔でいることを本当は望んでいるのではないかと思っています。
組織が変えられないのなら、自分にできることは何か
そんな中、自分にできることの1つは、自分の中に、きちんとした基準を持つことです。
放課後児童クラブ運営指針を頭に入れる、できれば、研修を受け、放課後児童支援員認定資格を取得することをおすすめします。
自分の中できちんと情報の取捨選択や、混乱状態の中でも、どのような行動をするべきなのか判断する基準を持つことが大事です。
何か意見をするときも、運営指針を根拠にして意見を言うと良いかと思います。
意見を言っても聞いてくれない、何も変わらないなら、思い切って転職もありだと思います。
さいごに・・・
いかがでしたか。
様々な学童保育があり、事情も様々で、「辞めたい」と思う理由も様々なものになっています。
学童保育指導員は、保育士ほど転職文化がまだ浸透していませんし、辞めた後、他の学童で働いていけるのかという不安も大きいのだと思います。
確かに、学童によって仕事のやり方が180度違うということもおおいにあるようです。
現在、それを是正しようという動きがやっと出てきたところです。
近年、学童保育は増えてきているので、変化を恐れずに複数の職場で働いてみて、視野を広くするのも良いかもしれません。
どのような行動をとるにせよ、精神を病んでしまうことだけは避け、自分自身を守るようにしてくださいね。
この記事が誰かのよりよい人生に繋がることを心からお祈りしています。
ーおわりー
放課後児童支援員の認定資格について、しんごうきさんのこちらの記事を紹介します。↓
試験等ははなく、無料で取得可能な資格です。
今の職場がきついなと思っている方に向けて、学童保育専門の転職サイトを紹介します。
はじめての学童指導員
はじめての学童指導員は、全国3000件以上の学童保育所の求人を用意しています。
はじめての学童指導員では以下の条件を満たした学童保育所のみが対象となっています。
- 年間休日が120日以上
- 残業なし、もしくは少ない
- 人間関係に関するトラブルが報告されていない
学童保育の転職で失敗したくない!という方におすすめです。
ぜひ、理想の職場を見つけて転職しましょう!
コメント