保育士として、
「どう動いていいのか分からない」
「どのように周りに気を遣えば良いのか分からない」
などの悩みを抱えている方がとても多いです。
ひとつ覚えていてほしいのが、保育士は、まずは、子どもの命、安全を守ることが最優先です。
安全に遊べるようにする、子どもの健康管理に気を配るということが一番大事になってきます。
あなたが取った行動で、保育中、保育時間以外で先輩保育士や主任先生、園長先生に「怒られる」ということもあると思います。
でも、子どもの安全や健康のための行動なら、そこは話半分に聞いておけばよいと私は思います。
「怒られる」からといって子どもの安全や健康をないがしろにしては本末転倒です。
「怒られる」のを恐れてあなたが取った行動で、もし怪我などが起きてしまっても、先輩保育士や主任先生、園長先生が責任を取ってくれるわけではありません。
あなたの責任になってしまいます。
そして、子どもの不利益になってしまいます。
例:
①園庭で遊んでいて、2人の保育士で子どもを見ています
②部屋の中にいる先輩保育士が、園庭にいる保育士に、外に出ている遊び道具を今のうちに片付けてくるように言いました
③園庭で事故が置きました
さて、誰の責任になりますか?
園庭に出ていた保育士は2人でした。
1人が片付けをしてしまうと、一時的にではありますが、子どもを見るもう1人の保育士の負担が増えますよね。
そのような状況でおきた事故で、もちろんクラス担任全員の責任にはなりますが、このとき、部屋の中にいて、指示を出した先輩保育士が「私が片付けをするように指示をした」と自分から報告すると思いますか?
このようなことを黙っている、ということはおおいに有り得ます。
後輩の保育士は、先輩保育士から指示をされたことの報告はできても、それでも園庭に出ていた2人の保育士に責任がないわけではない、ということになってしまうでしょう。
この場合、普通に2人で子どもを見ていれば、事故を防げた可能性は十分にあり(事故の内容にもよりますが)園庭に出ていた保育士はいらぬ責任を負わされ、事故にあった子どもは被害者となってしまいます。
もちろん
「今は手が離せない」
と先輩保育士に言い、それを受け入れてもらえればなんの問題もないのですが、それがすんなりいかないのが保育士の世界です。
先輩の命令は絶対、というようなことや、断ったり、異議を唱えたりするとあとでひどい目に合う、ということも十分考えられます。
このようなことをしていて、一番の被害者は子どもなのに、それが分からない保育士がいるのです。
「子どもの命、安全を守ることが最優先」
を大前提に、保育士の立ち回り方について解説していきたいと思います。
保育士は、具体的にどのような立ち回りをすればよいのか
保育中
見渡してみて、どの箇所に職員が足りないか見てみます。
足りないところを見つけたら、
〇〇入りますか?」「〇〇のところに付きますか?」
と先輩保育士に尋ねたり、
明らかに足りていない、先輩保育士が手が離せない状況なら、
「〇〇入ります」
と声をかけてそちらに付くと良いでしょう。
自分がリーダーでその日の保育を進めるときは、自分のクラスに入る職員全員に、本日何をする予定かを伝えましょう。
例:「園庭で遊びます」「〇〇へお散歩に行きます」「制作遊びをします」等
保育時間以外のとき
ー朝ー
前日のことは、ささいなことでも朝のうちに先輩保育士を含むクラス担任に報告しましょう。
遅い時間のシフトだったとしても、なるべく早く、手短に報告できると良いです。タイミングを逃してしまうとなかなか報告ができません。
ー午睡中ー
自分が進めているクラスの仕事の進捗状況を報告します。
例:「これはここまでできています。今週中には完成する予定です」等
クラスで何かやらなくてはいけないこと(保護者会の準備など)が迫っている場合は、「保護者会の準備どうしますか」「保育参観の準備どうしますか」など、尋ねてみましょう。
(そうでないとギリギリになって役割を振られたり、なぜ誰も気づかなかったのかと責められて困ることがあります)
お誕生日会など、園全体の行事の係になっていて打ち合わせなどが入ってくる場合は、早めに組んでいる保育士に伝えましょう。
例:「○月○日に〇〇会があって、担当になっています。打ち合わせや準備に出ることがあると思いますが、よろしくお願いします」等
打ち合わせや準備に行く当日も、朝のうちに「今日は〇〇会の打ち合わせに行きます」と伝えておきましょう。
そうすれば、午睡中も準備に抜けやすくなります。
荷物を運ぶ、行事の準備などは率先して動きましょう。
言われなくても皆さんやっているかと思います。
ー業務終了後ー
前日の連絡事項(休み、早迎え、様子を聞く必要がある子など)は、前日のうちに次の日の申し送り表に記入しておくと良いでしょう。
先輩保育士が何か仕事をしていたら、「何かお手伝いすることはありますか」と聞いてみます。
声だけは掛けておきましょう。
ーその他ー
「この仕事をやってくれる先生?」と先輩保育士や主任先生、園長先生に言われることがあるかと思います。
その際は無理のない程度に手を上げてください。
なにもしないでいると、ある日突然「なぜあなたは積極的に仕事をしないのか」と責められて困ることがあります。ですが、全部をあなたが請け負う必要はありません。
注意やダメ出しを受けることもあるかと思います。
その際は「申し訳ありませんでした。以後気をつけます」をキーワードにしましょう。
「すみません」より「申し訳ありません」の方が反省している感が伝わります。
先輩保育士が、クラスの仕事など、何かをしてくれたときには「〇〇ありがとうございました」とお礼を言ってください。
また、園長先生、主任先生が何かクラスに協力してくれた、クラスの行事に出た等ありましたら、お礼を言いに行きます。
行事の前日には、「お先に失礼します」のあとに、「明日、運動会よろしくお願いします」など、一言あいさつを入れましょう。
以下は余談ですが、実際やるとやらないでは差が出てきます。
先輩保育士、主任先生、園長先生には、あたりさわりのない程度に雑談やプライベートに関する質問をしておきましょう。
例:「今日も暑いですね」
お子さんがいる先生には、「お子さん今何歳なんですか?」
ペットがいる先生には、「どんな種類のわんちゃんなんですか?」「なんていうお名前なんですか?」等
あなたに関心がありますということを示すためです。
保育士の職場、本当に疲れます
これらは職場コミュニケーションを円滑にし、仕事を上手く回していくために必要なことではあります。
あなたは仕事をきちんとやっていても、そのことをきちんと伝えないと、周りの保育士さんにはなかなか理解してもらえないものです。
これらのことを心がけていれば大丈夫です。
逆にすべてをうるさく要求してくる体育会系の園は、ブラックである可能性が高いでしょう。
それでもダメな場合は
ここまで気をつけていても、先輩保育士や、主任先生、園長先生に
「理不尽なことで怒られる」「自分のせいではないのに、いつも自分のせいにされる」「できていないところをわざわざ探したり、何かにつけて文句を言われる」「無視される」などというのは、
「いじめ」に当たりますので、転職を考えましょう。
そのようなことは直るものではありません。
自分に落ち度がなかったか考えてみる必要がある場合もあるかと思いますが、落ち度がないのにターゲットにされているだけなら、やはりただのいじめ、パワハラです。
あなたが悪いのではなく、そのような人は、あなたがいなくなれば別のターゲットを見つけて同じことをします。
そして、あなたの子どもの安全や健康を守るための行動に文句を言われる、怒られる、あなたの話を聞かずに一方的に指示を押し付け、何か起きても指示をした責任を取らない、という園は正直早めに転職を考えた方が良いです。
お分かりのとおり職員が自分本位になっており、「子どもの最善の利益」を優先できていないからです。
きちんと子どもの安全、健康が危ないと言ったのにも関わらず、それを聞いてくれないなら、残念ながらあなたにできることはそこまでです。
そのような、「何を言ってもダメ」な園はいつ事故や虐待が起きても不思議ではありません。
もっと立場が上の職員に相談する(先輩保育士の態度に疑問を感じたら主任先生か園長先生に相談する等)こともした方が良いです。
しかし、私の経験では、相談後に少しだけ改善されましたが、それも表面的なものにすぎず、根本的に改善されることはありませんでした。
おわりに・・・
保育の現場は、未だに昔の風習が残っていたり、「上の人が言うことは絶対」というような、時代錯誤的な体育会系の現場もあるようです。
先人を敬うのは良いことだと思いますが、ただの後輩いびりやいじめになっていたり、ましてや子どもの安全や健康も優先されなくなるのは大問題ですね。
それから、最大限気を遣っているのに、うまくいかないこともあります。
「分からないことは聞いてって言われたから聞いただけなのに怒られた」など、ありますよね。
報・連・相は後輩側だけが気をつければいいということではなく、組織の全員が気をつけなければいけないことです。
そうでなければ組織はうまく回っていかないのです。
なので、自分が最大限「子どもの安全と健康管理に気をつけている」「組織のコニュニケーションが円滑に進むように気をつけている」ならそれでOKです。
どのように気遣いをすれば良いかは、働きながら、少しずつ学んでいけば良いのです。
この記事が悩んでいる保育士さんのお役に立てることをお祈りしています。
ーおわりー
ストレスで限界が来る前に、人間関係が良い職場への転職を考えている方はこちらもどうぞ。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
コメント